きのうの日経夕刊で国際日本文化研究センター教授の白幡洋三郎氏が書いている。農林水産省がはじめようとしている「海外日本食優良店調査・支援事業」についてだが、もっともだと思う。農水省はもっとまともなことに国民の税金を使え!
要旨:
農 水省の海外日本食店の判定基準には「日本のコメや醤油を使用しているか」という項目がある由。日本の農産品の輸出促進のためとのことだが、だったらもしイ タリア政府がイタリアのヂュラム小麦を100%」使用していないパスタに「スパゲッティ」という名前を付けることを世界中で禁止しますと言いだしたらどう する? 東京のイタ飯屋は全部看板を変えないといけない。全量ホップを使ってない飲み物は世界中で「ビール」とは呼んではいけませんとECが言いだしたら どうする? 国内ビールメーカーは大打撃だ。
散人は懐石料理こそが「日本食」とする考えには異論がある。理由はぐだぐだ言わないが、下の吉本隆明の意見に近い:
「日本の食の基本は、カレーライスとトンカツ、それと煮物」(吉本隆明)
- 日本食にホンモノとニセモノがあると、いま大まじめでこんな議論が起こっている。
- 農林水産省の「海外日本食優良店調査・支援事業」の目的は「日本の正しい食文化の普及」。まっとうな日本食店にお墨付きを与える意図らしい。
- これに対して「政府が認定するなんておかしい」などの異論や、海外メディアも「日本がスシ・ポリス派遣」などと揶揄・反発を見せる。
- 確かに海外には文句を付けたくなるような変なニホン料理も少なくない。
- ただし日本食が皆「日本」だけで作られたものではないことを忘れてはならない。懐石料理に欠かせないテンプラもポルトガルをさしおいて日本食だと 言い張れるのか。かといってカレーやカツ丼は日本食でなくインドや西洋料理だというのも不自然。いったい日本食とはなんなのか。その答なしにホンモノとニ セモノの区別は出来ない。
- 日本食は食の「文化複合」と呼ぶべきもの。当初驚くような料理が出現しても、それは民衆の舌で吟味・淘汰されてゆくことになる。上からの押しつけは無理だ。
農 水省の海外日本食店の判定基準には「日本のコメや醤油を使用しているか」という項目がある由。日本の農産品の輸出促進のためとのことだが、だったらもしイ タリア政府がイタリアのヂュラム小麦を100%」使用していないパスタに「スパゲッティ」という名前を付けることを世界中で禁止しますと言いだしたらどう する? 東京のイタ飯屋は全部看板を変えないといけない。全量ホップを使ってない飲み物は世界中で「ビール」とは呼んではいけませんとECが言いだしたら どうする? 国内ビールメーカーは大打撃だ。
散人は懐石料理こそが「日本食」とする考えには異論がある。理由はぐだぐだ言わないが、下の吉本隆明の意見に近い:
「日本の食の基本は、カレーライスとトンカツ、それと煮物」(吉本隆明)